星 影 [往 年]
遠い処からのたよりを待ちながら
今日という日が段々と離れていく
明日は今日とは違う時空を流れる
語り尽くせないことを残したまま
沈むゆく太陽にさようならと言う
段々とわたしの影が伸びていく
果たしてどこまで伸びるのかと
その天辺を竹の棒で衝いてみる
かぼそい音とともに折れそうな
その影はもう精一杯な気がして
「休んでいいよ」と言いたくなる
その天辺の先が段々ぼやけて
それから蝋燭が消えるように
薄明かりは闇に包まれていく
静寂なる闇が深まるにつれて
隠れていた星が輝きはじめる
野花たちがわたしに寄り添う
わたしを育ててくれた原っぱ
花泉袋の金流川へ続く原っぱ
星明かりに蘇りわたしも蘇る
原っぱを想い出して蘇生する
※ 原っぱ とは
「あげっぱ」に続く野原の道で
花泉郵便局から花泉中学校が
できる前に有った田園の野原
※ あげっぱ とは
田の潅水を目的する天然ダム
沢山の種類の生き物が集まり
魚釣りや水遊びができた楽園