地球の叫び [宇 宙]

墓石を眺めていると
子どもの時の不安を
思い出し再びよぎる
高層ビルは猶更ある
自転がずれないのか
季節はずれないのか
気候はずれないのか
我目を研ぎ澄ませよ
我鼻を研ぎ澄ませよ
動植物達の鳴き声と
私たちの地球の声に
※
恰も半世紀程の排気
の如く不安がよぎる
夢帰省 [往 年]

あぁぁぁぁまた遠くなる
今年こそはと今年こそと
母と父と兄の眠る北国へ
お盆を避けて帰省したい
出鼻くじけるコロナの渦
千葉も岩手も徐々に増す
またもやと叶わず北帰行
眠りの列車は秋野を走る
かの老松橋が鉄橋となり
魔送球 [青 春]

ときおり雷鳴が轟く
とても遠い昔のこと
放れた白球は何処へ
遥かな魔送球となり
今は忘却の空を飛ぶ

フラットなるサーブ
微妙な腰のひねりで
白球はネット手前で
浮上し過ぎて下がる

縦揺れが大きい白球
中三で完成してから
高一新人で一度試す
次は涅槃で友と打つ

白球は驟雨に消える