ハナダイコン [平 和]
終活を少しずつやる
畑仕事の合間にやる
レコードが出てきた
アルバム 氷の世界
老いても古くはない
ヘッドフォンに伝道
する曲は50年経つ
我心に響く青春の音
ハナダイコン
戦後に生まれた若者
安保とは 自由とは
戦争とは 平和とは
揺り動く戦後の波動
されども我らが日々
流行った曲の世情が
老いた鍬に力を潤す
※
四つの名を持つ
平和の花
オオアラセイトウ
ムラサキハナナ
ハナダイコン
ショカツサイ
無想極楽 [宇 宙]
ジェットストリームを
聴きながら眠りにつく
城達也さんの声と共に
夜間飛行しながら眠る
身から力が抜けるのが
とっても気持ちがいい
畑での力が引いていく
今日のことを振り返り
明日のことを巡らして
意識が抜けていく瞬間
赤子にかえる無想極楽
長閑(のど)けし [宇 宙]
離ればなれになって
川の流れに身を委ね
あの時の思いのまに
空を見ては雲と歩む
去年の秋のモミジが
淀みから覚めて浮く
吾と同じく遊雲して
ゆるりと流れ始める
身命は露よりも脆く
無に過ごすなと言う
だが吾は淀みと遊ぶ
ゆったりとするのも
時と遊ぶのも吾なり
地球も自然も山河も
全て吾とともにある