朝刊不安 [平 和]
学生時代に感じた不安
平和シュプレヒコール
不安は五十年前に遡り
今朝の新聞一面に蘇る
二度と起こさない宣誓
しかし憲法九条の反故
戦闘機を輸出するとは
の声と音楽が聴こえる
民意の届かぬところで
田池が嘆き迷っている
教育の危機 [平 和]
拝啓 文科省様
他人と競って得た力は
人を傷める凶ともなり
欲を増やす凶にもなる
競へ競への言葉でなく
心豊かになれの言葉だ
他に誇らず自分に誇り
自己実現する能力こそ
心豊かな社会に生きる
弥生順風 [平 和]
順なる風ょ吹かれん
祈願する年の始まり
天地がひっくり返り
国会も大きく揺れる
桜咲く弥生とともに
邪払の順風が到来し
国の端々まで潤えと
弥生の春の風に乗り
荒波を越えて行かん
さすれば地平線見ゆ
枯渇詩水 [平 和]
新年になってから疲れた
あの日から枯渇した詩水
しばし彷徨っている間に
東京にも雪が降っている
どう原野原を歩いたのか
私の足の裏は血だらけだ
外はいつの間に雨になる
ちょっとでも油断すると
政界に悪が蔓延るように
雪雲の陰に欺瞞が広がる
粛清! [平 和]
世界で起っている事
ワールドニュースが
映像と音声で流れる
地球の気候の変動で
諸生命の危機が迫る
今成す事は何なのか
各国のリーダーには
見えているかが問題
対策は人間の減欲望
躍起になる日本内閣
もうすでに信頼低下
全くもって情けない
粛清相手は己の欲望
リーダーの資質 [平 和]
穴熊の家の前を通る
山芋の林を抜けると
ようやく青空に会う
山奥で生きているが
ここは青空だらけだ
選挙の時は下山して
必ず投票所に向かう
悪政の抑止力になる
私利私欲の候補者は
リーダーの資質なし
耕す鍬に力を入れる
再び青空を乱すなと
戦後の深い悲しみを
思い出して涙を絞る
損得の連鎖 [平 和]
☆
このループから早く
抜けたいのに新聞を
読むたびにむかつく
穏やかに居たいのに
☆
際疾くなると逃げる
森の奥へと身を潜め
迸り覚めるのを待つ
永田で悪さした魔物
善悪が麻痺した魔物
我らの森に近づくな
神清して引導を渡す
数々の損得の付けは
子孫末端まで負する
神判する風を受けよ
危うい [平 和]
オリンピック開催誘致
コロナウィルスまん延
何かにつけて欲を出す
なんとも浅ましい限り
票かせぎか金儲けだけ
我が国の舵取り者とは
何とも恥ずかしい限り
連日、失態が放映され
見る聴く子どもたちは
知らず知らず悪を学ぶ
見ながら育つというが
悪の方に染まった背を
見る度に日本が危うい
祈 り [平 和]
出会って 初めて考えるのだろうか
不治の病になって考えるのだろうか
手足を地につけて一心に畑すること
目の前の草花との別れがいつ来ても
いいように懸命に共に話し合うこと
流れる風と雲の途絶えがいつ来ても
いいように一瞬一瞬を共にいること
惨禍と平和の紙一重に祈る私がいる
15日の天声人語に次なる言葉がある
真に問われるのは戦争を始める能力
ではなく戦争を回避する能力である