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野辺の花 [土光風]

ヒトは死して花になる
こなたかなたに咲く花
涅槃寂静となる咲く花
それを見ている青い空

動物は死して花になる
こなたかなたに咲く花
風にゆれている野の花
それを見ている白い雲

植物は死して花になる
こなたかなたに咲く花
昆虫達と戯れる野の花
それを見ている霧の虹
静 寂 [自 然]

欲も無欲も畑にはない
あるのは青空とそれを
もとめる梅の蕾だけだ

まもなく春さんが来る
今日も誰とも遇わぬが
空と山が間ぢかにある

いよいよ季の節となる
弱きわが心を耕運して
今年の菜園の一とする
青空の仕業 [自 然]

手を放した景色には
ふたたび出会えない
美しく優しい温もり
心の扉の向こうへと
色褪せて霞んでいく
時々ふっと顧みれば
折よく色づいている

楠の枝を空へと辿る
一番先にできた橙の
葉が空に揺れている
昔の景色に折重なる
貴方も見えるのかと
風にたずねてみると
青空の仕業だと言う

想定外 [自 然]

飛行機が墜落する
新幹線が不全する
想定外が禍となる

学校で習う確率論
どの割合で当たる
どの割合で外れる

確率は統計上の事
確率は予測である
確率は絶対でない
確率から生まれ式
それを組んだIC
ICが機械を操る

長い距離と分岐を
電気の速さで辿る
神業でなく極普通

普通ではないのが
部分の成功を基に
自然へと挑む奢り
無為寂静 [道 元]

残すべきかと
消すべきかと
捨離進まない
年の瀬となる

記憶は朧気に
ややもすると
今やることも
ぼやけてくる

帆の船に乗り
風にまかせて
寂静の雲海を
ゆっくり進む
※
記憶が自然と捨離
されていくままに
朧気なる雲の原を
泳いでいればよい
野 船 [宇 宙]

鍬と鎌とビバルディ
秋から冬に向かう畑
今日は穏やかな天気
空は青く後押される

雑念を取り払う耕作
昼飯は太陽光で育つ
野菜と玄米を食して
太陽熱の珈琲を飲む

野も山も空も時なり
太陽は東よりのぼり
月は西の星空に沈む
天川銀河は航行する
ミシン無心 [宇 宙]

ブログの閉鎖で
僕の詩作が迷い
山野に雨が降る

ミシンはいいな
目途が決まれば
無心に道を縫う
コトコト鳴れや
読経にまされし
一気に無になる

雨の日の居間は
いつの間にやら
作務衣だらけ也

※
SSブログは
来年三月で
閉鎖となる
またまたの
彷徨う旅路
皆が来れる
ように道標
作らないと
※ ※
何処であれ
「しゅんの詩と写真の世界」
変わらずに
写真に記し
詩作を縫う
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