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無色無形へ [道 元]




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自然薯を掘り続けて

まもなく72分経つ

休んでは空を見上げ

風に舞う黄葉を追う



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芽吹くイチョウの葉

葉散るイチョウの葉

春季の光で出現して

秋季の陰に銷融する



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自ずとお経を唱える

峯の色渓の響は我心

放てば 手にみてり

生死も気にならない



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消 融 [道 元]




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海も時なり山も時なり

どんなことが起っても

ここが一番の住み処だ



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海波と山風の呼ぶ声で

釣糸を垂れて畑を耕す

今我は海山に消融する



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摩尼珠花 [道 元]




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春の長雨久し続く

傘をさして桜見る

土曜日曜が過ぎて

人目が離れる度に

薄紅に染まる花弁



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青空が戻ってくる

欲無くまっすぐで

貪瞋痴の毒も無く

摩尼珠の心を持つ

花が有為空に咲く



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摩尼珠花→    
皆、尊い仏性を
いるが、その
に気づいていな
い、でも花は自ずか
ら仏性を持つが如く
いてる。それを見
人々は感動する。
の一瞬、内奥にあ
摩尼珠のような宝
(仏性)に繋がる。過
ぎるとまた貪瞋痴の
 三毒に悩む人に戻る。
 摩尼珠のような宝
を常に持っている花
を私は「摩尼珠花」
   と勝手に名付けた。   

有為(うい) →この世




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野ざらし農夫 [道 元]




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いつから感じるのか

畑で齧る春ダイコン

野山に響き渡る食音

病弱な血道管が蘇る



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いつから感じるのか

手を伸ばし捥ぎ齧る

夏みかんの瑞々しさ

病弱な血道管が蘇る



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いつから感じるのか

畑で飲むplumwine

野山に溶けて染渡る

病弱な血道管が蘇る



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紆余曲折しながらも

ここまで生きている

病気のお陰で生死を

超える生き方を識る



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見えないものを識る

聞こえないもの識る

知らない香りを識る

四方の味わいを識る






諸行無常

一切空也

応無所住

而生其心







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秋だにも [道 元]




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毎年この景色が来たる

何者このように来たる

待っている生き物へも

そうでない生き物へも

森羅万象へと出現する



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暦のように数えずとも

天気予報なぞ見ずとも

誰彼からも聞かずとも

朝夕の気配が潜み来て

森羅万象へと出現する



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エノコログサの花穂が

秋の夕空に揺れている

夕日は昇る月を照らし

月光も生き物を照らす

森羅万象へと出現する



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宵の月に眠れやはする



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道元 辞世の句
また見むと
思ひし時の
秋だにも 
今宵の月に
眠れやはする


今年の中秋の名月
9月10日である






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揺  蕩 [道 元]




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目覚めると揺れていた

曲の流れに揺れている

アナウンスが流れだし

次の停車はみどり台駅



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今どこにいるのだろう

暗と明の狭間で揺れて

覚めると20代にいる

campusに向かうのか



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夢だと思うが気になる

気になるのはもう一つ

朝のキャベツの苗植え

夢現の狭間で揺蕩うと



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寝ても覚めても真直に

活きて充実しているが

どっちつかず揺蕩うと

諸行無常にて空なるが



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山水の声と姿 [道 元]




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人里離れた山奥の

青い空に近い処の

涼風の流れる畑に

鍬を持つ農夫侍り



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農夫の座右の銘は

毀誉褒貶は空なり

心は水の如く清し

・群れず
・媚びず
・靡かず



もう一つは不染汚

・持たず(無所得)
・求めず(無所求)
・悟らず(無所悟)



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山水に溶ける農夫

土と光と風に語り

囁き声と姿を待つ

不染汚へと至れば

囁く声と映える姿

漸次に現れてくる



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不染汚(Fuzenna)


正法眼蔵随聞記









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微  酔 [道 元]




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久しぶりに古都鎌倉を歩く

コロナ禍が 漸う静まるか

行く人も来る人も皆微笑む

腹も空いたし喉も渇いたし







うなぎ屋の前で足が止まる

煙美に誘われ暖簾をくぐる

まずは熱燗を一気に飲乾す

禍の淀む気持ちが流れゆく



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空きっ腹に流れ染みわたり

今 吾はどこにいるのかと

軽い目眩の中で問いかけて

見下ろすと足が消えかかる



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あらら あらら 左前かと

我が身を見れば 尋常なり

鰻を食する前にあの世では

たまらんと店主に請い願う

吾の鰻 はよ来られたしと



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ふっと 窓下の流れを見る

ああぁぁ 南無釈迦牟尼仏

鎌倉にて我煩悩 時を知り

滑川の流れの淀みに現れる















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残  像 [道 元]




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岩手の花泉と花巻とは

77㎞程 離れている

歩いて行けば夕方には

会えるような気がする



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床につき疲れた身体が

無限の闇へと向かう頃

漸次に光が闇に消える

昼の残像は賢治の後姿



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ずいぶんな歳になって

ようやく後姿が見えた

誰もが歳を重ねゆくと

見えてくるものなのか



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自未得度先度他というが

我を忘れて自然に溶ける

床なる自然に抄き込んで

峰の色と谷の響を楽しむ










これまでは

時の流れがゆるやかだった

残像現象が無い理由はそこにあった

時の流れが速く感じる歳の身になり

昼の残像が見えるようになってきた

私は贅沢にも この現象を楽しめる

私の人生はまだ捨てたものでは無い

みんな 土と光と風が教えてくれた

私は蜘蛛や天道虫や蜻蛉にもなれる

このように

明が 暗となり

遠くが近くなり

だんだんと

興が増えている













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時間よ!止まるな! [道 元]




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時間よ!時間よ!止まれ!


時間が止まると言うことは


どういうことなんだろうか


録画の一時停止ではないか




でも よ-く考えてみると


時間が止まると言うことは


一時停止でなく 電源OFF


後も先も無く静止でも無い


恐らくそこは真っ暗なのだ




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吾一人 畑での出来事


鍬が地へと向かうとき


突然 真っ暗になった




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是諸法空相


不生不滅


不垢不浄


不増不減


是故空中








真っ暗から我に返ると


落花生畑に向かう鍬が


天を切る頂点にあった




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時というものが消えるとは


場所も消えるということか


そんなことを考えていたら


今ここにいることが嬉しく


懸命に耕すことが超楽しい




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汗が流れることも


小鳥のさえずりも


そこを歩むアリも


飛んでる紋白蝶も


若葉を抱く青空も


眺めている自分も


懸命に生きている




時間よ!止まるな!


時間よ!止まるな!






☆~★ : 般若心経の一部引用






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闘病生活を経た農夫の独り言を表現しています。