秋萌(akiho) [自 然]
過去を顧みず
明日を夢見ず
今を生きてる
流れ行く雲も
揺れる銀杏も
染めゆく椛も
空に秋萌ゆる
過去を顧みず
明日を夢見ず
大地に染まる
天干の稲穂も
宙舞う銀杏も
散りゆく椛も
地に秋萌ゆる
後にも先にも
今を懸命なる
初秋に鳴く蝉
栗木を歩む蟻
暮れる夕陽も
伸びゆく影も
やがて
只酔う人間 [自 然]
うまく育たなかった
なぜ発芽しなかった
なぜ葉が黄になつた
次から次へと疑問が
湧き科学をしたがる
どんなに科学しても
自然の働きに叶わず
山水にある動植物は
山や海や空に時あり
身も心も委ねている
山や海や空に時ありとは
山や海や空の変化で時を
所謂 動き時を知ること
自然を方程式化して
不具合は定数で補い
まるで自然を操るが
自然の摂理に叶わず
畢竟破局の道を至る
ノーベルは
何を考えて
遺言したか
人類に最大の貢献をもたらした
人々に贈られるノーベル賞とは
宇宙の持続に向かっているのか
大切なことを忘れてはいないか
そんなこと
思いながら
山と海と空
に話かける
感知力 [自 然]
空を見上げていると聞こえてくる
僕(ウッコ)は予測はしないんだよ
雨になる前に仲間達と動くのだよ
自然の微変化を感知し動くのだよ
空を見上げていると隣人が応える
今朝の天気予報によると晴れだよ
晴れなら 洗濯をたくさんしよう
蛙が鳴き始めたので空を見上げる
青い空が予報通りに広がっている
ウッコ達は自分の家に入り始める
僕(私)は洗濯物を軒下に移動する
穂含月(hofumizuki) [自 然]
初めてトマト山の茎を登る
初夏とは言え穂含月の日に
初鳴きの蝉の声を聞き乍ら
腰の手ぬぐいを揺らしては
フーゥー フーゥーと登る
実を結ぶ稲穂が揺れている
ポッケからバーボンを出し
ほんのちょぺっと口に含む
未知の世界に引き込まれて
四方の世界が身近に広がる
若いときの力はもう下り坂
老いたときの想像は上り坂
ここから見えるウッコの姿
2億3千万年前の恐竜だぁ
お~ぃ 私は今7月にいる
穂含月(ほふみづき)
↓
文 月(ふみづき)
↓
7月
Madoromu [自 然]
散らないようで散る
そわそわの田植え時
我が心浮きし危うし
咲いている野原に
両手両足を広げて
桜空に浮いてみる
日増しに濃くなり
ジャガイモの芽が
敷き藁から現れる
起き上がって畑の世話もしたい
待ちに待った穏やかな春なのに
まどろい満ちて日は暮れてゆく
春が来た
春が来た
野菜や花達が
目を覚ますと
僕は
微睡み始める
でも
待ちに待った
春の楽しみが
あっちこっちに
あらわれてきて
あれもこれもと
やりたいのだが
休んでは微睡む
どうやら
僕は病気になってから
とても欲張りになるが
とても居眠り屋さんだ
かように今日という日
ひねもす完全燃焼する