不染汚の夏 [土光風]
私たちの畑と果樹園から見える
静かに時間がゆったりと流れる
入道雲が現れ驟雨も連れてくる
微妙なバランスに乗っていけば
暫し木陰でのコーヒータイムは
不染汚のクライマックスになる
私の熱い身体を蘇生してくれる
身体中から染汚が流れ出ている
ウッコの声が山裾から聞こえる
はやく降りてきなよぉぉぉぉと
とても暑い八月に私たちはいる
暑ければ暑いほど汚れが落ちる
夕涼み時には自然に溶けている
描く農夫 [土光風]
時を遅らせることができる
畑に向かい描き続ける農夫
悠々湧き生まれる 夏の雲
磯かおる潮さわぐ 夏の風
蒼翠を照らしむる 夏の光
またもや血が動きはじめる
あの空を越えて海を越えて
それから あの山も越えて
注ぐ光から色をとり寄せる
園芸は絵描きに似て楽しい
う~む・・じつにほろあまい
う~む・・じつにすすっぱい
う~む・・じつにしょつぱい
う~む・・じつにほろにがい
久しぶり 雲も 風も 光も
皆調度いい味の元になってる
奇 跡 [土光風]
土のぬくもりは母なる優しさ
七色の光は父なるたくましさ
夏空にささやく風は優しさと
たくましさを畑に連れてくる
ナスの葉に
トウモロコシの葉に
平野に出て緩やかなる大地で
優しさとたくましさに出会う
ナスの根に
ダイズの根に
ジャガイモの根に
トウモロコシの根に
包まれた畑で喜びの鍬を奮う