花 筏 (hanaikada) [道 元]
散ったら散ったで
心穏やかにならず
水面に映る桜並木
夢の花筏の初出航
此岸彼岸の花達も
春息吹に喚起され
どちらに咲いても
散る先は夢の花筏
乗っている地球は
銀河に流れる花筏
此の人も彼の人も
万物も奇跡の事象
病という苦しみも
死という苦しみも
あい受け入れれば
夢の花筏は現なり
無為(むい・ぶい) [道 元]
山桜の畑には
彩と声があり
静と動があり
安と楽がある
そしてそれらが
無為なる自然に
相包まれている
文彩に表せば
染汚に属する
群れず
媚びず
靡かず
淡々として
山にいるが
世の争いが
よく見える