夏草と言えば芭蕉を思う


また立原正秋も思い浮く


夏草は ほどよく離れて


見るのがもっとも生きる









近すぎると息苦しく思う


離れすぎると雑景になる


涼しむ山道の草となりは


透き通るほどに凜となる











朝の農園はすがすがしく


フィラデルフィア染色体


あがいていても静かなり


夏草の凜々しきに乱れず











青空も白雲も透きる風も


揺れている木々の青葉も


光と影の中で躍る夏草も


もはや我病まで忘れ去る