散りそうで散らない


散らないようで散る


そわそわの田植え時


我が心浮きし危うし








ムスカリの珍花が


咲いている野原に


両手両足を広げて


桜空に浮いてみる








山ごぼうの幼葉が


日増しに濃くなり


ジャガイモの芽が


敷き藁から現れる








浮いては 微睡みたい気もある


起き上がって畑の世話もしたい


待ちに待った穏やかな春なのに


まどろい満ちて日は暮れてゆく














春が来た


春が来た


野菜や花達が


目を覚ますと


僕は


微睡み始める


でも


待ちに待った


春の楽しみが


あっちこっちに


あらわれてきて


あれもこれもと


やりたいのだが


休んでは微睡む


どうやら


僕は病気になってから


とても欲張りになるが


とても居眠り屋さんだ


かように今日という日


ひねもす完全燃焼する