寒い夜に子どもの頃を想う


梟の鳴き声はとても優しい


おさな子の眠りの母である








雪の降る夜には音が消える


黒い闇の雪は音を吸い込む


今夜は梟の声は聞こえない


胸騒ぎして眠りにつけない








オレンジジュースの入った


ビニル瓶を雪の中に入れた


逃げ場のない梟の鳴き声は


おそらくジュースに溶ける








朝になると氷キャンディに


なっているのが待ち遠しい


母の話で胸さわぎが消えて


明日を夢みて深く眠り入る








雪の降る夜は怖いが楽しい


母は亡き人 梟は何処へか


鳴き声をもう一度聞きたい










にほんブログ村