2022年06月05日 - 道 元 久しぶりに古都鎌倉を歩くコロナ禍が 漸う静まるか行く人も来る人も皆微笑む腹も空いたし喉も渇いたしうなぎ屋の前で足が止まる煙美に誘われ暖簾をくぐるまずは熱燗を一気に飲乾す禍の淀む気持ちが流れゆく空きっ腹に流れ染みわたり今 吾はどこにいるのかと軽い目眩の中で問いかけて見下ろすと足が消えかかるあらら あらら 左前かと我が身を見れば 尋常なり鰻を食する前にあの世ではたまらんと店主に請い願う吾の鰻 はよ来られたしとふっと 窓下の流れを見るああぁぁ 南無釈迦牟尼仏鎌倉にて我煩悩 時を知り滑川の流れの淀みに現れる