梅雨の間に [土光風]

畑は山の麓の谷にある
天から雨水が辿りつく
山の有機肥料を運んで
自然のままにできた畑


ある時は作物が水底に
ある時は野鳥が食して
ある時は照りで枯れる
天の堆肥が実りを呼ぶ

欲もなくありのままに
天を見上げては微笑む
山は時なり空も時なり
限りなく自然に銷融す

あゝ虚構 [平 和]

仰げとも描けども
農夫の詩に至らず
質さぬ虚構の政策
呆れて力が抜ける

吾の筆は鍬となり
畑を耕し畝を作る
畝は空の雲を仰ぎ
苗の活着を進める

手に筆が帰るまで
移ろい易い策から
目も耳も遠ざけて
山の畑を黙に耕す
難破船 [平 和]

不正はコロナ以上に感染する
国の舵をとる議員の不祥事は
朝のニュースにも流れている
そして
見聞きする民の良識を狂わす

かの有名なカーメーカーさえ
不正を行い信頼を低下させる
日の本なる船は難破しそうだ
そして
不正なる風潮はいよいよ高波

雪やなぎ [自 然]

うららかなる春なのに
なぜこんな夢を見たか
吹雪の中を歩いている
息ができず足が止まる
積雪は冷たいが温かい
私を迎い入れんとする
北国の雪景色が広がる

そう言えば昨日の夕方
見事な雪やなぎに会う
空に伸びやかに揺れる
春風は冷たいが温かい
6月11日まで・・・
術なしのまま苦悩する
春は益々麗らかなのに

瞬間湯沸器 [青 春]

やってみた あの頃を
昭和47年の学生時代
廃棄された家電を直す
瞬間湯沸器は真に重宝
腹ペコペコな貧乏学生
即席ラーメンが主食で
野菜は農家から貰った
幻想曲ヴィヴァルディ
今蘇る 田園で食する
瞬間湯沸しのラーメン

捧げる言葉「調和と共存」 [宇 宙]

海洋の魚の胃袋は
大量プラスチック
情報化社会の巷は
ディープフェイク
影をもできる事を
宇宙の隅々までに
責任担保をすべし
不幸も伴うことを
宇宙の隅々までに
責任担保をすべし

やがて分かること
責任の担保の限界
さすれば
修復可能を祈して
迷わず起点に帰る
自然との調和とは
自然との共存とは
朝刊不安 [平 和]

学生時代に感じた不安
平和シュプレヒコール
不安は五十年前に遡り
今朝の新聞一面に蘇る
二度と起こさない宣誓
しかし憲法九条の反故
戦闘機を輸出するとは
の声と音楽が聴こえる
民意の届かぬところで
田池が嘆き迷っている

教育の危機 [平 和]
拝啓 文科省様

他人と競って得た力は
人を傷める凶ともなり
欲を増やす凶にもなる
競へ競への言葉でなく
心豊かになれの言葉だ

他に誇らず自分に誇り
自己実現する能力こそ
心豊かな社会に生きる

闘病生活を経た農夫の独り言を表現しています。 「︙」のメニューボタンを押しPC版サイトをチェックします。
スマホでご覧になる方は、「︙」のメニューボタンを押してPC版サイトをチェックすると見やすいです。