狂い咲き [平 和]
神無月 山桜に花が咲く
これを狂い咲きというが
それは人間の見方である
開花は春への兆しである
霜月 山桜の花弁が舞う
罪あるものが立候補する
人間の欲の深さに何とも
呆れ果てて穴に入りたい
日本でも揺れ動く人間性
選挙権は行使されるのか
有権者の視力が試される
万一再選あれば狂い咲き
さっちゃん [自 然]
見た目は怖くて恐ろしい
慣れるまで時間がかかる
とても私の心はみにくい
見た目で判断する私の心
この心は何処から来たか
こんな心は嫌でたまらん
アシダカグモは私の友だ
ここにいるだけで安らぐ
隙間だらけの居間だけに
よもすがらお護りをする
私の眠りを安らかにする
さっちゃんと呼んでいる
秋 陽 [土光風]
ようやく陽が昇る
身体の調子がいい
山ザクラの畑まで
トレッキングする
待ちに待った秋陽
乱世情から離れる
ペンと紙を置いて
鍬抱え畑に向かう
秋ミョウガを採る
山栗を食べてみる
山柿を食べてみる
秋陽が朝露で光る
一得一失 [宇 宙]
何かを得れば何か失う
森羅万象が自然本来に
持っている貴重な鉄則
四季折々の気象変化は
ゆるやかな時間を刻む
「奇跡の地球」の謂れは
自然との調和が大前提
蒸気機関を始めとする
利器等は時流を速める
その流れは環境を変え
環境は不適応をつくる
46億年前に誕生して
直近の二百余年の間に
地球は痛く病み始めた
そろそろ気づいていい
何かを得れば何か失う
便利な物ほど要を失う
未来を生きる子供達が
身につけたい能力とは
一得一失を心にとめて
自然と共に生きる能力
闘病生活を経た農夫の独り言を表現しています。 「︙」のメニューボタンを押しPC版サイトをチェックします。
スマホでご覧になる方は、「︙」のメニューボタンを押してPC版サイトをチェックすると見やすいです。